積算ソフトと見積ソフトを混同する人も多いでしょう。

(以下、建築に関する内容になります。土木業の業務はまた若干違います。)

実際、建築で言うところの積算と言う言葉はWikipediaには以下のように記されています。

「建設業界では、材料費・労務費・機械経費など工事費を構成する費用を積み上げ、全体の工事費を計算する方法またはその業務のことをいう。」

つまり、工事費を計算するまで書いてあるので、見積書を作成するのも一緒と思っても当然といえば当然です。

でも、積算と見積とは業務として別の仕事になりますし、それらをサポートするソフトにも違いがあります。

それぞれの業務について説明しましょう。

積算とは・・・

積算の業務自体がまず何処まで行う仕事なのかが肝心ですが、積算とは平面図を見ながら、それに関わる材料や費やす労務についてを拾い出していく作業の事です。

例えば平面図上に6畳の和室が描かれていた場合、それにかかる材料としては壁材、天井材、畳、それぞれの壁・床天井の構造材など、図面上に描かれる面積と高さを元に拾い出していきます。

またそれに掛かる労務費がどれくらい掛かるのか、施行費や運搬費、加工費など様々な費用が同様に掛かってきます。

他にも平面図上には襖、扉などの建具や、出窓なのか、障子付き窓なのか、またその寸法なども書いてあり、それらの材料費や取付費なども一緒に拾い出さないと行けません。

こうして、一枚の平面図から様々な情報を見つけ出して拾い出しをする作業が積算といわれる仕事で、実際に家一軒の積算をするのに必要な日数は早くて一週間、平均すると10日間~二週間は掛かると言われています。

見積とは・・・

それでは見積とはどんな仕事なんでしょう。

実際に、上記の積算で拾い出した数字は、職人さんが長年の経験で一度メモ書きをしていきます。

そのメモ書きを利用して次は一項目づつ明細にしていき、数量に掛かる単価を記載していきます。

ただ、ベタに書いていくと分かりにくいので、工事の工程毎に仮設工事・基礎工事・木工事・・・と分けていって、それぞれの明細を作って行く事で、お客さんにも出来るだけわかりやすい見積書に仕上げていかないといけません。

だいたい20~30ページくらいの見積書に最終的には仕上がっていきます。

これにかかる時間がだいたい2~3日と言ったところでしょうか。

こうして家一軒の見積書が出来上がってくるわけです。

これだけ苦労して家一軒の見積書を作成しているのにも関わらず、お客さんは相見積をして、数社から1社に絞って契約するわけですから、正直苦労が報われない事もたくさんあるんでしょうね。

積算と見積、それぞれ大変な作業となるわけですが、現在そういった業務を軽減するためのソフトがいくつか出ているわけです。

とりあえず各ソフトのマメ知識でした。